「このままでいい」と思う自分をやっつける|日高由美子がパラレルワークを実践する理由

「このままでいい」と思う自分をやっつける|日高由美子がパラレルワークを実践する理由
「このままでいい」と思う自分をやっつけるため、新しい「できること」を増やすためにパラレルワークに挑戦することを決意しました

そう話すのは、株式会社TAMでアートディレクターとして働きながら、絵で伝える「えがこう!」の活動をされている日高由美子さんです。

日高さんに現在の活動内容や、パラレルワークに挑戦を決意したエピソード。これからパラレルワークで活動したい方へのアドバイスを伺いました。

日高 由美子

日本デザインセンターイラストカンプ部を経て、コーセー化粧品宣伝部、ワーナーミュージックジャパンにてグラフィッックデザイン業務に従事。
その後株式会社TAMでWEBアートディレクターとして活動しつつ、大阪コミュニケーションアート専門学校でエディトリアルデザインを講義。2016年より『絵で伝える「えがこう!」の活動を開始。新聞社主催イベントや教育カンファレンスなどで、会議やセッションをライブで描くグラフィックレコーディング実施。企業向け可視化トレーニングの研修も実施。オープンセミナー「地獄のお絵描き道場」は毎回キャンセル待ち多数の人気を誇る。

パラレルキャリアで「描くこと」を仕事や生活に活かす

―日高さん、本日はよろしくお願いいたします。まずは日高さんのパラレルワーカーとしての活動内容を教えてください。

デジタルエージェンシー・株式会社TAMのアートディレクターとして、WEBサイトのコンテンツをプランニングする仕事をしています。

複業・パラレルワークでは、「えがこう!」という、「描くこと」を仕事や生活に活かして、よりよく生きよう、という活動をしています。

活動内容は、自分の考えを可視化するトレーニング/ワークショップを企業向けに開催したり、セッションやイベント内容をライブで描く、グラフィックレコーディングを実施しています。

また定期的に「地獄のお絵かき道場」というオープンセミナーも開催しています。

―ありがとうございます。えがこう!の活動はTAMのサイトにも掲載されていますよね。TAMの事業として「えがこう!」があるのですか?

TAMでは、売上目標が各メンバーに与えられていて、目標を達成できるのであればTAMの案件だけでなく、複業やパラレルワークの活動もOKなんです。

自分の食いぶちは自分で稼げっていうのが会社の方針なので(笑)

「えがこう!」はTAMに運営会社として事業の枠を作ってもらっています。実際は半分独立状態で、「えがこう!」の運営をしています。

「このままでいい」をやっつけるためにパラレルワーカーに

―日高さんはどういう経緯でパラレルワークに挑戦しようと思ったのですか?

もともとTAMは社員の自立を促す会社だったのですが、50歳になる頃に社長から「とにかく次の道を考えろと」言われたのがきっかけだと思います。

「このままなら会社にとっていらない人になる」「職人はいずれいらなくなる」「自分で仕事を作れるか?」といった感じで。

―それは結構なプレッシャーですね(汗)

ただ、当時の私はアートディレクターとして仕事はもらえているし、皆からも頼りにしてもらえることも多かったので、「このまま定年まで逃げ切れるのでは?」と思っていたんです。

そんな時に、アートディレクターとして頑張って担当していたWEBサイトのプロジェクトがあったのですが、集客が見込めないという理由で打ち切りが決まりました。

アートディレクターとして、WEBサイトの見た目や内容などこだわっていたつもりだったのですが、SEO・集客に強いサイト作りができていませんでした。

―それは辛かったですね・・・
はい。

自分はいつの間にか「できること」しかやらない人になっていたことに気づいた瞬間でした。

このままでは、逃げ切ることはおろか、会社・皆の足をひっぱる存在になってしまうんじゃないかって。

そこで「このままでいい」と思う自分をやっつけるため、新しい「できること」を増やすためにパラレルワークに挑戦することを決意しました。

自分の人生を棚卸しした結果、「えがこう!」が生まれる

―えがこう!のサービスはどのようにして生まれたのですか?

最初の頃は、自分にできることが思いつかずとても悩みました。

悩みすぎて大阪の梅田の街を徘徊していた時期もありますし、未来食堂さんに行ってまかないをしていたこともありました。

それ以外にも様々な紆余曲折があったのですが、転機になったのが、自分が生まれた時の事からすべてノートに書き出して、良いところ、ダメなところも含めてすべてを棚卸ししたことでした。

自分のこれまでは振り返って書き出してみると、小さい頃から実の兄が遺伝的な病気で目が不自由だった事に思い至りました。

見える事を当たり前だと思って日々無駄な時間を過ごしていなかったか?と自分に問いかけました。

もしも男に生まれていたら、目がよく見えてなかったんだろうなと思うと、見えると言うことに代え難い貴重さを感じました。

小さい頃から1人遊びが好きだった私はたっぷりのノートを与えられて好きな絵を書いていました。おかげで美大にも入れましたが、よく考えればそれもほんのちょっとの偶然の幸福の産物だったのだと思い至りました。

であれば見えること、描けるかける事を誰かの役に立てたい。そう思ったのが、えがこう!を始める志となりました。

パラレルワークを実践して「できること」が増えた

―実際にパラレルワークを実践してみていかがですか?

私ってこんなこともできるんだな、っていう発見につながりました。

例えば、えがこう!は私個人で運営しているので、TAMでの仕事とは違い、営業活動もする必要があります。他にもサイトに掲載する規約の準備なども一人でする必要がありますし、それ以外も色々と・・・。

そんな感じで様々なことをこなしていくうちに、「自分ができること」がドンドン増えていっている感覚があります。

あとは、外で活躍しているものすごく元気の良い人たちに新しく出会えた事も大きいです。特にスタートアップ支援の会社のスタッフ皆さんとの出会いは私に大きな刺激になりました。

―外の世界に飛び込んだからこそ、得られたことが多いんですね。その他にメリットを感じていることはありますか?

「えがこう!」では、研修やセミナーを開催することが多いため、教える側の講師としての活動が多くなります。その時に、これまでの社会人経験をいかすことができていて、参加者の視点で伝えることができていることもメリットであると感じています。

ボールは高い所に投げるのが吉

―最後にこれからパラレルワークに挑戦したい人にアドバイスをお願いします!

新しいことを始めて、それを仕事にしていきたい方は「ボールを高いところになげる」というのを意識してみるとよいと思います。

すぐに手が届くような目標で活動していても、人は魅力を感じにくいものです。遠くの目標をかかげて活動しているからこそ、その過程を教えてほしい!という人に出会えるのだと思います。

「会うだけでなく、話せ」「話すだけでなく飛び込む」というのも大事だと思います。

例えば、とても共感、刺激になった本に出会った場合、その著者のセミナーに参加してみたり、実際にその人の下で働いてみることもおすすめです。その人の考え方や振る舞いを肌で感じることで、やりたいことを見つけるヒントになるかもしれません。

「両輪を活かす」というのも良いかもしれません。今やっている仕事の対になる活動をすれば、それぞれの活動が相乗効果を生み出せると思います。

―本日はありがとうございました!

日高さんが主催されている「えがこう!」は以下のページから確認できます。
ぜひご覧になってくださいね!

えがこう! – 描くことで世界は変わる。

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